76ers vs. Knicks — MSGで早期の力量測定戦、シーズン開幕のリトマス試験に
【試合概要】
フィラデルフィア・76ersが10月21日(水)、ニューヨーク・ニックスの本拠地マディソン・スクエア・ガーデンに乗り込む。ティップオフは日本時間午前8時。両チームともに0勝0敗で迎える今季初戦であり、単なる開幕カードにとどまらず、プレーオフを狙うイースタンカンファレンスの2チームが、チームのアイデンティティ、選手のコンディション、オフェンスの上限をいち早く確かめ合う重要な一戦となる。ガーデンの熱狂的な歓声が響くなか、試合はハイペースで展開し、両軍のベンチ陣も早速試されることになりそうだ。
【スタッツ比較分析】
紙面の数字を見る限り、フィラデルフィアのオフェンスがやや上回る。76ersは1試合平均112.8得点を誇り、ニックスの106.0をリードするほか、リバウンド(43.2対41.4)、アシスト(27.8対26.8)でも優勢。キャンプ期間からペースとスペーシングを重視してきただけに、ボールも良く回っている。
一方、シュート成功率の内訳は興味深いスタイルの対照を示している。フィラデルフィアのフィールドゴール成功率は43.2%だが、この数字を押し上げているのはインサイドでの高い決定力だ。2ポイントシュート成功率は57.4%に達し、リーグ屈指の水準。ただし、3ポイント成功率は27.8%と低調だ。つまりペイント主導の攻撃は強力だが、外角には大きな不安を抱えるチーム構図だ。オープンシュートが決まらなければハーフコートオフェンスが硬直化するリスクがあり、激しい当たりで攻撃の起点を潰すニックスのディフェンスがその弱点を試すことになるだろう。
ニックスもほぼ同じプロファイルで、数字はあらゆる面でそれ以下だ。フィールドゴール成功率42.6%、2ポイント成功率56.3%、そして3ポイント成功率はわずか25.3%。両チームとも3ポイントシュートの調子が上がらないままこの一戦を迎えるだけに、勝敗の行方は「ペイントの制圧」「セカンドチャンスポイント」「トランジションからの易しいシュート」をどちらが多く生み出せるかにかかっている。リバウンド差とターンオーバーが最終的に物語を語る可能性が高い。
【注目のキーマッチアップ】
Jalen Brunson対フィラデルフィアのバックコート陣が最大の見どころだ。チーム最多の平均16.3得点をマークするBrunsonは、ミッドレンジでの技とピック&ロールがニックスオフェンスのエンジン。76ersは彼を得意とするポジションに絡ませないことが鍵で、Brunsonにインサイドへドライブを許せば、ニューヨークの攻撃が一気に活性化する。
インサイドでは、Karl-Anthony Townsがニックスのリバウンド(7.3)とアシスト(4.5)の両方でチームを牽引している。ハイポストやローポストからオフェンスのハブとして機能する彼の存在感は計り知れない。フィラデルフィアは平均7.0リバウンドのJabari Walkerをインサイドでぶつけてくる予定で、ポジション争いはペリメーターでの攻防以上に重要になりそうだ。
一方の76ersのスタッツ上位には驚きの名前が並ぶ。得点王は平均20.0得点のJaylen Brown、アシスト王は1試合平均6.0アシストを記録するLeBron Jamesだ。このクラスのタレントを擁するのであれば、マッチアップ上の問題は明白だ。Brownのウイングスコアリングはニックスの外角ディフェンスを苦しめ、Jamesのプレーメイクはシューターに寄り付きたいニックスディフェンスの布陣を揺さぶる。さらにJabari Walkerがリバウンドで汗をかくことで、スター軍団に対する労働者的なバランスも生まれている。
【最近の調子】
両チームともにリズムを探っている状況だ。フィラデルフィアは直近5試合で1勝3敗。3ポイント27.8%という数字が示す通り、外角の冷え込みとムラのあるパフォーマンスが目立った。76ersの懸念はタレント不足ではなく連携の未完成さで、平均27.8アシストを生み出すようなボールムーブメントよりも、アイソレーションに頼るプレーが多すぎる点だ。
ニューヨークの直近5試合1勝4敗はより深刻だ。ニックスは安定したオフェンスを生み出せておらず、平均106.0得点はハーフコートオフェンスのアイデンティティをまだ確立できていないことを物語る。守りが代名詞のはずのディフェンスも平凡な水準にとどまり、平均41.4リバウンドは砦となるべきガラス面がまだ完成していないことを示唆する。ホームのガーデンで迎える今試合は、立て直しの絶好の機会と言える。
【戦術のポイントと勝敗予想】
両軍とも3ポイント成功率が28%を切っているだけに、スリーポイントラインは武器というより「ノーフライゾーン」になる可能性が高い。フィジカルでペイント中心の試合が予想される。注目ポイントは以下の通りだ。
- インサイドの主導権争い。TownsとWalkerを軸とする76ersフロントコートのリバウンド勝負を制した側が、ポゼッションゲームを握る。
- Brunsonのピック&ロールに対するフィラデルフィアの対応。スイッチすればTownsにミスマッチが生まれ、スイッチしなければBrunsonにミッドレンジのシュート機会が連続する。
- 終盤の接戦におけるフィラデルフィアのスター力。BrownとJamesはあらゆるディフェンス対応を経験してきた。第4クォーターの接戦になった場合、その経験は強力な武器となる。
- トランジションディフェンス。両軍のハーフコートオフェンスが苦しんでいるだけに、速攻の得点が僅差の試合の行方を左右しかねない。
【予想】
フィラデルフィアは、オフェンス効率の優位、リバウンドのアドバンテージ、そして明確なクライチームの司令塔を擁し、ロードの試合であっても有利と判断する。ニックスの勝利の道筋は、BrunsonとTownsの活躍、そして熱狂的なホームの後押しによるターンオーバー誘発にある。しかし、ニックスが106得点超えを安定して達成できる姿を見せていない以上、本予想はフィラデルフィア、114対108。ディフェンス寄りの接戦となりそうな今季開幕戦だ。
【最終スコア予想】76ers 114、Knicks 108。