デンバー・Nuggets vs. ニューオーリンズ・Pelicans 試合プレビュー
NBAレギュラーシーズン
2026年10月29日(木)午前9:00 JST(現地・ニューオーリンズでは水曜日の夜)
Smoothie King Center(ニューオーリンズ)
【試合概要】
開幕から3試合を終え、Pelicansはいまだ今季初白星を探し続けている。しかもスケジュールは、そこで同情してくれる気配を見せない。Nuggets(1勝2敗)が水曜日の夜(日本時間10月29日午前9時)にSmoothie King Centerに乗り込み、自らのアイデンティティを取り戻そうとするチームと、連敗に歯止めをかけたいチームによるシーズン序盤のウエスタン・カンファレンス対決が実現する。
数字だけを見れば、今季屈指の「不可思議」なマッチアップだ。Pelicansは1試合平均124.7点、フィールドゴール成功率48.0%という華やかな数字を誇りながら、勝ち星は正真正銘のゼロ。一方のNuggetsは1勝2敗で、オフェンスはまだ全開ではないものの、Nikola Jokićという元MVPのエンジンが絶えず回り続けている。どちらかが折れる番だ。Pelicansの得点力がついに結果へ結びつくか、それともデンバーのスター軍団がニューオーリンズを順位表でさらに沈めるか。
【データ分析】
生の数字は読みごたえたっぷりだ。シュート関連のほぼすべての部門でPelicansが優位に立つ。1試合平均得点はデンバーの113.0点に対し124.7点、フィールドゴール成功率は45.7%に対し48.0%、ツーポイント成功率に至っては55.3%に対し56.9%と、いずれもニューオーリンズが上回る。スリーポイントに限れば両チームは統計上の完全な互角で、Pelicansの30.9%に対しNuggetsは31.1%。どちらのオフェンスも外周のリズムをつかめていないことを物語っている。
同様に印象的なのは、それ以外の部分でここまで似かよっていることだ。リバウンドは両チームとも平均45.3、アシストも24.7と完全に同じ数字で、ガラスの攻防もボール運びも事実上の五分五分。ここまで均衡した2チームが顔を合わせれば、試合を分けるのは個のスター力とハーフコートでの実行力となり、その領域でJokićに肩を並べる者はほとんどいない。
この試合を象徴する数字上の物語こそ、「Pelicansのパラドックス」だ。平均124.7点というハイペースで得点するチームが、勝ち星ゼロでいるはずがない。避けて通れない結論は、ニューオーリンズのディフェンスこそが問題だということで、相手と同じペースで得点を交換し合っていては勝ちに結びつかない。デンバーの課題は性質こそ違えど方向は似ている。113.0点はまずまずだが、スリーポイント成功率31.1%が、ツーポイントを55%超の確率で決めている効率的なアタック全体の足を引っ張っている。
【注目のマッチアップ】
Nikola Jokić vs. Pelicansのフロントコート。デンバーのビッグマンはいつも通りのオールラウンドな水準を維持し、平均9.7リバウンド、8.7アシストでチームを牽引しながら、リーグで最も生産性の高いポイントセンターとして機能している。ニューオーリンズはインサイドで、いまだ衰えぬDeAndre Jordanを対抗させる。チーム最多の平均9.0リバウンドでチームに安定感をもたらしてきたベテランだ。Jordanの筋力とポジショニングに対する、Jokićの柔らかいタッチ、タイミング、パスビジョン。試合の流れを最も左右しそうなカードだ。
Jamal Murray vs. Dejounte Murray。リーグを代表する二人の「Murray」による注目のバックコート対決。NuggetsのJamal Murrayは平均22.3点でチームの得点をリードし、そのシュートメイクはアウェイでも通用する。Pelicansの司令塔Dejounte Murrayはチーム最多の平均6.3アシストを誇り、おそらくプライマリーのディフェンスを担う。彼の長いリーチとインスティンクトこそ、デンバーのピックアンドロールのリズムを崩すニューオーリンズ最大のチャンスとなる。
Zion Williamson vs. デンバーのインサイドディフェンス。Pelicansの看板選手は平均20.7点でチームの得点をリードする。ゴールへ真っすぐ突き進む彼の強さは、一ポゼッションごとにデンバーのインサイドの壁を試すことになる。序盤で得意のポジションに入り込めば、56.9%というPelicansの効率的なツーポイントアタックはほぼ止められなくなる。
【最近の調子】
Nuggetsは1勝2敗で乗り込む。直近3戦で2敗を喫し、オフェンスはアークの外での一致感をまだ探している段階だ。明るい材料は、ツーポイント成功率55.3%がハーフコートオフェンスの基盤が健在であることを示している点で、スリーポイントの不振はいずれ上方へ回帰するはずの「ばらつき」にすぎない。
一方のPelicansは0勝3敗。もはや「内容上の勝利」も数える意味がない。平均124.7点という、ほとんどのNBAの試合を勝てる得点力を生み出しながら、Pelicansは負け方だけを積み重ねてきた。NBAの序盤は勢いがものを言う。いま、一方のチームは穴から這い上がりつつあり、もう一方はまだ穴を掘り続けている。
【注目ポイントと勝敗予想】
この試合はアークの内側で決まるだろう。両チームともスリーポイント成功率が31%弱にとどまり、ロングシュートを武器にできないだけに、主戦場はペイントへ移る。両オフェンスともツーポイントを55%超でコンバートしており、ニューオーリンズはWilliamsonへボールを集めて総合的な効率の優位を押し付けるはずだ。デンバーはそれに対し、JokićとJamal Murrayのツーマンゲームで、コート上で最も質の高いシュートを生み出す。
リバウンドは平均45.3で完全にイーブンだからこそ、一つ一つのポゼッションが貴重になる。Jokić対Jordanのリバウンド攻防と、そこから生まれるセカンドチャンス得点が、紙一重の接戦になりそうなこの試合を左右しかねない。
予想はNuggets 116-112 Pelicans。今季のスタッツはニューオーリンズに傾いているが、結果はデンバーに傾いている。アナリティクスと順位表が食い違うとき、信頼すべきは順位表だ。デンバーはすでに今季一度「勝ち方」を解いている。ニューオーリンズはまだ探している。Jokićのトリプルダブル級の数字は、スケジュール上のどんなアリーナでも通用する。ここまで接戦と見込まれる試合では、コート上で最も優れた選手が通常、最後の決め手となる。